不動産鑑定士とは
不動産鑑定士とは、土地や建物などの価格を判定する職業(国家資格)です。なぜ不動産鑑定士が土地建物の価格の判定をしなければならないのでしょうか。価格なんて市場に任せればいいのでは?と思う方もいるでしょう。
しかし不動産は売り物ではないことが普通です。チラシ、広告等で値段がついている不動産と、この世に存する他の値段が付いていない不動産、多いのがどちら かは明らかです。また、チラシ等に載るもの以外の山林、畑、崖、鉱泉地等々も全て不動産と考えると、圧倒的に値段がない不動産の方が多いです。では、なぜ 売りに出ない不動産の価格を適正に求める必要があるのでしょうか?それは不動産の価格が売買のためだけに存在していないからに他なりません。例えば固定資 産税、相続税等の課税、道路を広げるための用地買収などは売り物でなくても価格が必要で、売り物でなくても買わなければならない場合は多いと言えます。そ の際の値付けがいい加減ではトラブルのもとになります。そのために客観的に価格を判定する資格者が必要になります。
不動産鑑定士は価格判定の能力と責任を国家資格により担保されています。不動産鑑定士以外の者が価格を判定し、報酬を得ることは法律で禁じられています。
不動産鑑定士は、単に売れる価格とは限らず、売主、買主どちらにも加担しない中立的な価格を出します。また、評価する不動産は多岐に渡っていて、宅 地、建物はもちろん、農地、山林、雑種地等の他、借地権、借家権、底地等の権利の価格、地代家賃等の賃料、その他一般的ではないものでは名義書換料、区分 地上権など様々な範囲になります。一般的な宅地、建物であっても、高圧線の下にある場合や、一部他人の権利になっている場合等複雑な事情があったとして も、それに応じた適切な価値を判定します。
以上、不動産鑑定士について簡単に説明してきました。以下は実際の不動産鑑定士の活用例です。
- 土地、建物の現在の資産価値を知りたい。
- 土地、建物を売買、交換するので適正価格を知りたい。
- 土地、建物の現在の担保価値を知りたい。
- 相続対策のため評価額を知っておきたい。
- 不動産をもっと有効に活用したい。
- 土地、建物の賃貸借をしたいので、適正な賃料を知りたい
- 税務署に対して適正な価格での取引であった証明がしたい。
これらの活用法以外にも、国民生活に重要な以下の業務を様々な公的機関からの依頼により行っております。
- 土地の適正な価格を一般に公表するために国が行う地価公示、群馬県が行う地価調査の際の鑑定評価
- 公共用地の取得(用地買収)の際に行う鑑定評価
- 相続税路線価の鑑定評価
- 固定資産税課の課税の基となる鑑定評価
- 裁判所の競売物件評価